「ブログはリライトが大事」これはさんざん言われてきたことですが「実際のところ何したらいいの?」と思いますよね。
今回の記事では、現役WebマーケターとしてSEOに携わってきた経験をもとに、ブログをリライトするタイミングや、検索順位別のリライト指針を紹介していきます!
検索上位に表示される記事の評価ポイントも解説しますので、合わせてご覧ください。
最後の見出しでは「ブロガーがSEOより大事にすべきこと」をお話していますので、よければ見てもらえると嬉しいです。
ではいきましょう。
目次(クリックできるよ)
ブログ記事でリライトが必要な理由
ブログなどのSEO対策で、リライトが必要な理由を挙げていきます。
検索順位を上げるため
せっかく良い記事を書いても、まずはGoogleの検索結果に表示されなければ読んでもらえないです。
記事を作成する時は、一生懸命書いて投稿するわけですが、はじめからどれも検索で1ページ目に入るわけではありません。
そこでリライトが大切になります。
リライトをすることで内容の濃い記事にアップデートしたり、サイトの更新性を保ったりということをGoogleが評価し始めれば、検索で表示されやすくなっていきます。
読者満足度が高い記事にするため
もちろんGoogle対策だけでなく、読者にとって役立つ記事であるよう、常に品質を意識する必要があります。
むしろそこがおろそかになって、読者にとって不要なコンテンツを追記しても、それはいい結果には結びつきにくいでしょう。
読者満足度を高めるためには、以下のようなことを追求していきましょう。
- 検索意図を満たす内容が書かれている
- 一次情報など、ほかのページよりも価値が高い情報がある
- 図表・イラストや動画などがあって理解しやすい
- 表示速度が早くて読むのにストレスが少ない
- 見やすいデザインになっている
リライトなしで上がっていくのは4記事に1記事
「PLAN-B」というSEO事業をおこなっている企業の調査では、投稿した記事のうち、リライトなしで順位が上がっていくのは全体の24%だそうです。
新規の記事のみでSEOを攻略することが、どれだけ難しいかがわかります。
よく「最初は7割くらいの出来でも公開して、後でリライトしよう」と言う方が多いのもこういうことですね。
以下の参照記事にもありますが、はじめから伸びるわけではないと割り切り、リライトは必要なものだと考えておいたほうがよいでしょう。
(参照元:PINTO! by PLAN-B|リライトの効果実証!やはりリライトはメディア成長には欠かせない施策だった!)
リライトのタイミングはいつ?|目安は公開から2~3カ月
リライトのタイミングに関してですが、目安は「記事を投稿してから2~3カ月」です。
3カ月くらいは、記事が自力で順位を上げてくるといわれるからです。自分なりにしっかり書いたと思う記事は、焦らず待ってみましょう。
ただ、上記の期間はあくまで目安なので「記事の中に明らかな誤字を見つけた」とか「どうしても足したい情報がある」という場合は、適宜記事をいじっても問題ないと思います。
むやみにキーワードを詰め込むとか、変なことをしない限り、リライトしたから順位がぶっ飛ぶことはあまり考えられないので。
記事の公開時期に関わらずリライトすべきタイミング
記事の公開時期に関係なく「リライトにとりかかるべき」というタイミングがあります。
Googleアップデートで急落したとき
Googleは検索アルゴリズムにおいて、定期的な小規模アップデートと、年に1~2回の大規模アップデートをおこないます。
大規模アップデートがおこなわれた時、サイトのジャンルによっては検索順位に大きな影響が出ることもあります。
Googleの検索アルゴリズムアップデートは予告なしで実施されるため、残念ながら事前に対策することは不可能です。
自分のサイトが影響を受けたかどうか知るためには、検索順位チェックツールの利用がおすすめです。
サーチコンソールだけでは、どうしてもキーワードごとの順位や、年月ごとの「推移」がパッとわかりにいです。
有名ブロガーの方が「ランクトラッカー」や「GRC」などの順位計測ツールをすすめる理由の1つが、アップデートによる自サイトへの影響を即座に知るためです。
カニバリゼーションが発覚したとき
「カニバリゼーション」とは、ある1つのキーワードに対して複数の記事がランクインしている状態です。
キーワードの共食いのような状態になってしまい、Googleからの評価が分散してしまうほか、順位が安定しなくなります。
たとえば、キーワードに対して、ある記事は12位、別の記事で21位にランクインみたいな状況です。
カニバリゼーション対処その1|記事をひとつにまとめる
カニバリゼーション発覚後の対策の1つは「2つの記事のうち順位が高いほうに内容をまとめて、順位が低いほうは削除」です。
2記事に分散しているGoogleからの評価を、1記事にのみ向けてもらう狙いです。
内容的にも、残したほうの記事は厚くなります。
カニバリゼーション対処その2|狙うキーワードをシフト
カニバリゼーション発覚後の対策その2は「順位が低いほうの記事は他のキーワード狙いにシフトして内容を変える」です。
とにかく、1つのキーワードに対してサイト内で競合している状況を避けたいからです。
たとえば「SEO リライト やり方」でカニバリゼーションしてるなら、片方の記事は「SEO リライト タイミング」狙いの記事に書き換えるとかですね。
検索順位別ブログ記事リライトのやり方
「リライト」と一概に言っても、今の順位によってやることや考え方が異なります。
順位別に、リライト方針の基本的な考え方を解説します。
3位から10位
検索順位の1ページ目です。ここに入るだけでもすごいこと。
ここまでくると、記事単体というよりはサイトレベルのSEO要素も大きいです。
やることとしては下記作業が想定されます。
- ランクインしている記事のキーワードに関連したキーワードを狙った記事を増やす(内部リンク忘れずに)
- 他の上位記事に載っていない独自情報(体験談など)を追記
- 被リンクの獲得
記事が1ページ目に入ったらクリック率を必ず確認
上記の方法に加えて、記事が1ページ目に入ったら必ず見直すべきなのが「検索順位に対してクリックがちゃんとされているか?」です。
クリック率が低ければ「タイトル」と「ディスクリプション」の変更を考えましょう。
読者がクリックする前に見る情報は、基本的に「タイトル」と「ディスクリプション」のみだからです。ここがあまり魅力的でないと、クリックされにくくなってしまいます。
IT・Web関連の調査を行うアメリカの企業「SISTRIX」によると、2020年版の検索順位における平均クリック率は以下のとおりです。
検索順位 | 平均クリック率(CTR) |
---|---|
1位 | 28.5% |
2位 | 15.7% |
3位 | 11.0% |
4位 | 8.0% |
5位 | 7.2% |
6位 | 5.1% |
7位 | 4.0% |
8位 | 3.2% |
9位 | 2.8% |
10位 | 2.5% |
(参照元:SISTRIX|Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid)
サイトジャンルによっても異なるでしょうから、一概にはいえないですが、クリック率の目安にはなります。
キーワードごとの順位とクリック率(CTR)は「サーチコンソール」で確認できます。
クエリ=キーワードと思ってもらって大丈夫です。
タイトル変更時の注意点は「狙っているキーワード」はタイトルから外さないことです。
11位から20位
ここらまで上がってくるということは、内容は良いはずです。
ただ、Googleからは10位以内の記事よりオリジナリティや信頼性が不足していると判断されている可能性があります。
上位記事にない独自情報を足してみたり「誰が書いたのか」という情報を追加したりしてみましょう。
また、記事単体のリライトだけでなく、その記事と関連するキーワードまわりを狙った記事を増やして、記事どうしをリンクさせる作業を地道におこなっても良いでしょう。
これは「自分のサイトはこの内容には詳しいぞ」とGoogleに認知してもらう狙いがあります。
20位から50位
記事がこのあたりにいる場合は、情報の網羅性について確認してみましょう。
具体的には、検索順位1位から10位の記事に入っているけど自分の記事には入っていない情報があるか確認するということです。
もしあれば、それに関する情報を追記しましょう。
このとき、上位記事から見出しは参考にするとしても、内容は自分の言葉で書くことが大切です。
50位~100位
記事のコンテンツが不足しているか、キーワードの検索意図に沿っていない可能性があります。
確認するためには、狙っているキーワードを実際に検索して、上位記事の内容を見てみるのが早いです。
1位から10位の記事に入っていて自分の記事に入っていない内容があれば、自分の言葉でそれについて書き足してみましょう。
また、検索意図については「自分の記事では車で行く方法について書いたけど、上位記事は電車で行く方法ばかりだった」みたいなことが起こっていないか確認します。
そして、自分の記事で書いていることがズレていれば、もう一度キーワードに沿ったコンテンツを意識してリライトしてみましょう。
100位圏外
キーワードの検索意図とズレてしまっているかもしれません。
検索上位記事を参考にしつつ、コンテンツを再構築していきましょう。
もちろんオリジナリティは大事なので、書きたいことを書いた内容は残しつつ、検索上位の記事に載っている情報を自分の言葉で追記してみましょう。
内容は良さそうなのに圏外にいるなら、コピーコンテンツ扱いされているとか、カニバリゼーションが起きているなどの可能性も考えられます。
削除するのも選択肢
ある程度記事数があるなら圏外の記事は消してしまうのもアリです。
Googleから評価されていない記事は、サイト全体の評価も下げてしまうといわれているためです。
優先してリライトすべきブログ記事は?
すべての記事を片っ端からリライトするのは大変ですよね。
優先してリライトをおこなうべきなのは、圧倒的に「11位から20位」にいる記事です。
検索順位は、1ページ目(1位から10位)にいるのと2ページ目(11位から20位)にいるのでは雲泥の差があります。
そして、もう少しで検索結果の1ページ目に表示される「11位から20位」にいる記事は、優先してリライトに取り組むべきなのです。
上位表示されるブログ記事のコンテンツとは?
Googleがコンテンツの質を評価する基準として、おもに以下3つがあります。
- 検索意図に沿っているか
- E-A-T
- 情報の独自性と網羅性
検索意図
「検索意図」をもう少し詳しくいうと「あるキーワードで検索する人が、検索結果によってどんな情報を得たいか」です。
SEOで上位表示をするためには、この検索意図を読み取り、適切な情報を提供することが大切です。
例として「車」と「電車」でそれぞれの検索結果をみていきます。
「車」の場合は、中古車に関する情報を掲載するページが上位に表示されています。
一方「電車」で検索をかけると、乗換案内に関するページが上位に表示されます。
車と電車は「乗り物の種類の1つ」という意味では同列のキーワードですが、検索意図が大きく異なることがわかります。
仮に「電車」というキーワードで記事を作るとして、「キレイな景色が見える路線の紹介」をしても検索意図とズレるため、上位表示しにくくなります。
そのため、検索意図とズレた記事を書かないためにも、キーワードを決めたらまずは自分で検索して、意図をくみ取る作業が必要になります。
E-A-T
「E-A-T」は、Googleがページの品質を評価する際、とくに重要視している項目です。
「E-A-T」はGoogleの造語で、以下3つの単語の頭文字を取ったものです。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
それぞれについて簡単に説明します。
Expertise(専門性)
専門性とは、Webサイトやページが、ある分野においての専門的な知識を有しているかどうかを示します。
特定の分野について専門的であることで、Googleから評価され検索順位にも有利に働く可能性があります。
たとえば「お酒をネットで注文しよう」として検索したとき、お酒以外にもさまざまな商品を扱う百貨店やデパートのサイトより、お酒専門店のサイトのほうが目的の商品を早く見つけられそうですよね。
特定ジャンルに特化すると、ユーザーのニーズを「早く」「正確に」満たせます。
Googleも何かしらのアルゴリズムで「専門性」を読み取り、検索結果に反映している部分はあるでしょう。
High quality pages and websites need enough expertise to be authoritative and trustworthy on their topic.
引用元:Google検索品質ガイドライン ※英語表記(2020年10月14日公開版)
ざっくり訳すと『高品質のページやウェブサイトには、その分野について信頼できる十分な専門知識が必要です』という感じですね。
Authoritativeness(権威性)
「権威性」とは、記事の内容だけでなく「誰が言っているのか」「このサイトは信頼して大丈夫か」を重視する項目です。
わかりやすいところでいうと、健康や医療に関する情報は、個人ブロガーよりもクリニックやドクター監修の企業サイトが圧倒的に上位表示されます。
じゃあ個人が権威性を持つことは無理なのかというと、けっして不可能ではありません。
たとえば、ドメインパワーが強いサイトから被リンクをもらうことや、SNSなどで個人名やサイト名をポジティブな言葉と一緒に紹介してもらう(サイテーションとよばれます)ことで、個人の権威性を少しずつ高めることに繋がります。
(もちろん自作自演とかは良くないですが・・・)
Trustworthiness(信頼性)
「信頼性」とは、「ユーザーにとって信用できるサイト・コンテンツかどうか」を重視する項目です。
ちょっと権威性と似てますが、個人ブロガーが算出したデータより国がおこなう調査のほうが信頼されますし、レビュー記事なら憶測で書いたものより、実際に使った人の記事のほうが信頼されます。
「どんな人が書いているのか」というプロフィール情報を載せたり、データを用いたときに参照元を示したりするなどの気遣いが大切になります。
情報の情報の独自性と網羅性
以下2つが満たされているページは、上位表示されやすい傾向にあります。
- 独自性:そのサイト・運営者だからこそ提供できる情報があるか
- 網羅性:ユーザーが欲しい情報がまとめられているか
以前は、とくに網羅性が重視されていたようです。しかしそれだけだと、オリジナリティより文字数ありきみたいな記事が上位に来ちゃうんですよね。
だから、Googleとしても最近は独自性も大切にして「情報量さえあればSEO攻略」という状況にならないよう、調整しているのかもしれませんね。
検索順位に関係なくリライトの際に意識したいこと
検索順位が何位だろうが、リライトの際に見直すべきポイントを挙げていきます。
読んでほしい記事への導線は引かれているか?
簡単にいえば「内部リンクを見直しましょう」ということです。
記事数が増えてくると、内部リンクの管理も大変になってきます。
ただし、ユーザーが内部リンクのない記事を1つだけ読んで離脱してしまうのは、もったいないことです。
「ブログ始めたてのころに書いた記事だから内部リンクが無いな」という記事があれば、リライトのタイミングでその作業もしちゃいましょう。
理想はリンクをうまくつないで、商品やサービスを売っている記事に誘導することです。
ブログを始めると「内部リンクが大事」っていろんな人が言ってて、耳にタコができるくらい聞いているのではないでしょうか。 とはいえ、初めのころは「内部リンクってなんやねん」って感じですよね。 ロイ ロイです!当サイト「RO[…]
情報が古いままになっていないか?
記事に古い情報があれば、新しい情報に書き換えることも大切です。
たとえば家電ブログでは、紹介したものが廃盤になっていることもあるでしょうし、サブスクのおすすめ動画紹介なら「今はこの映画の配信してないな」ということもあるはずです。
古い情報が読者を混乱させてしまう可能性がありますので、リライトの際にはこのあたりの情報も必要に応じて更新しておきましょう。
読みやすい記事にする工夫がされているか?
とくにブログ初期に書いた記事は、読みやすくする工夫が抜けていたりします。
たとえば以下のようなポイントが抑えられているか、リライトの際に見直しておきましょう。
- 見出しh2後の画像を入れる
- 行間を広めにとる
- 適度に装飾する
- 専門用語を使いすぎない
- 1文が長くなりすぎていないか確認する
余裕があれば図解や画像にコメントを入れて解説
余裕があれば、本文の理解を助けるために図解を入れたり、補足テキスト入りの画像を差し込んだりするといいですね。
時間がとられるので無理にというわけではないですが、画像をうまく使って読者が理解しやすい工夫・努力をしている方のブログは、長くても読めてしまう印象があります。
図解や画像編集に自信がなくても使いやすいツールが「Canva」です。無料で使える画像編集ツールで、デザインの経験が無くても使いやすいのでおすすめです。
リード文も見直す
SEO対策リライトに関する注意点
ブログ記事をリライトする際の注意点を挙げていきます。
リライト日はどこかしらに記録
リライトをしたら、そのままにしておくのではなく、Excelなりスプレッドシートなりどこかにリライト日をメモしておきましょう。
リライト後の順位の変動要因に対して、仮説を立てやすくするためです。
Googleアップデートの影響の場合は、あせらず変動が落ち着くのを待つ
検索順位の変動がGoogleアルゴリズムアップデートの場合は、変動が落ち着くのを待つことをおすすめします。
大規模のアルゴリズムアップデートは、開始から2週間程度で完了するといわれています。
急に順位が落ちるとめちゃくちゃあせると思いますが、アップデート中から終了後にかけて順位の「揺り戻し」が起きる可能性があります。
焦ってアップデート中にリライトをおこなうと、その後の順位変動がアップデートの揺り戻しなのかリライトの効果なのかわからなくなります。
そのため、個人的には変動が落ち着いてからリライトに取りかかることをおすすめします。
リライト=追記ではない
SEO対策に関するリライトと聞くと情報を追記するイメージが湧くかもしれませんが、必ずしも追記だけがリライトではありません。
リライト前の記事に「今見るとこの情報は不要だな」とか「キーワードの検索意図とズレたことを書いてるかも」と思えば、そこを削ることもリライトの1つです。
ブログ記事のリライトは、どちらかというと「Googleへの対策」の要素が強いです。
しかし、読者にとって読みやすく価値ある情報を届ける、という意識を忘れないことがなにより大切です。
SEOリライトについて思うこと
今回は、リライトの「テクニック」的な部分について解説してきました。ここまで紹介しておいてなんですが、僕はSEO「テクニック」にとらわれすぎないことも大切だと思っています。
みんながみんな、SEO対策で同じようなことをするなら、検索エンジンは誰が書いても似たような構成の記事ばかりの、つまらない世界になってしまいます。
実際、SEO「だけ」を意識すると、まじでつまらないブログができてしまうと思います。何より、書いてる本人が楽しくなくなります。
ブロガーの方は「リライト」を含めてテクニックはテクニックとして覚えたうえで「読者にとって役立つ情報+自分が伝えたいこと」を大切にしてほしいなと勝手に思ってます。
もちろん、今回ご紹介した内容はリライトの際の方向性として役立ちますので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
ここまでとても長い記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ブログ、楽しみましょうね。
ではまた。